夜勤専従看護師として働くことに興味がある方や、既に働いている方。この記事では、夜勤専従の実態について詳しく解説します。
シフトの違いや常勤と非常勤の違い、給料の実情など、気になるポイントをしっかりカバーしています。
夜勤専従のメリット・デメリットや具体的なシフト例、そして夜勤専従ならではの悩みとその解決法についても詳しく説明します。
体調管理の難しさや精神的なストレスといった課題がある一方、高収入や安定した生活リズムなどのメリットも豊富です。
私のリアルな体験談を通じて、心配事を解決するための具体的なアドバイスをお届けします。
給料の仕組みや夜勤手当の詳細、効率的なシフト管理の方法、長期的なキャリアプランの立て方など、実践的な情報も豊富にご紹介します。
この記事を読むことで、夜勤専従看護師としての生活についての理解が深まり、より良い働き方を見つける手助けになれば幸いです。
あなたの心配事が解決し、夜勤専従としての生活が充実することを願っています。
夜勤専従看護師とは

夜勤専従看護師とはその名の通りに夜勤を専門に働く看護師のことです。
勤務体制は通常は2交代(日勤・夜勤)か3交代制(日勤・準夜勤・深夜勤)になります。
日勤も夜勤もやる一般的な常勤だと一か月の夜勤回数は4~5回(2交代の場合)。
しかしながら夜勤で体調を崩しやすかったり小さい子どもがいて夜勤が難しい人もいるため、夜勤スタッフは人手不足になりやすいです。
一方で人手不足の分だけ給与面で優遇されるため夜勤で働きたい人も多くいます。
- がっつり稼ぎたい人
- 勤務日数は少なく稼ぎたい人
- 夜勤手当がたくさんほしい人
- 夜型生活が得意な人
夜勤専従看護師の仕事内容
夜勤専従の仕事は主に以下の業務があります。
- 病棟の巡回
- ナースコール対応
- バイタルチェック
- トイレやオムツなど排泄介助
- 配薬
- 点滴の交換
- 体位変換
- 急変時の対応
- 食事や経管栄養の介助
- 看護記録の記載など
内容は日勤とあまり変わりませんが、夜勤だと医師の指示がほとんどないため検査や処置、薬の変更など処理する負担は少ないですね。
ただし、夜勤スタッフは少ないため、何か変化があったり患者さんに急変があった場合でも他のスタッフに相談ができなかったり対応に追われる可能性があります。
ある程度の判断や対応が可能になった経験者が求められる訳です。
夜勤専従のメリット・デメリット

夜勤専従のメリットとデメリットを詳細に挙げていきます。
メリット
- 高収入:夜勤手当が加算される。
- 生活リズムの安定:生活リズムが一定になりやすい。
- プライベートの充実:日中の自由な時間を利用して、家族や趣味に時間を使うことができる。
- 患者の受け持ちや看護研究、委員会活動の免除:時間外の仕事が減る。

①高収入
2023年の日本看護協会の調査データによると夜勤1回の手当の平均が3交代の準夜勤:4234円、深夜勤:5199円、2交代では11368円になるようですね。(数年前よりちょっとだけ上がりました)
自分の職場では2交代の夜勤手当は1万なので妥当、というかもうちょい欲しいところですね。
夜勤専従になると2交代の場合は月9~10回、3交代なら月18回くらいの勤務になります。
つまり常勤の場合は基本給に加えて夜勤手当+10万前後の月収になるわけです。
夜勤専従の非常勤の場合だと基本給やボーナス、福利厚生がないのでメリットは少なく非常勤はあまり良くないと思うかもしれません。
実は非常勤の場合だと1回の夜勤手当が3万以上になるところもあります!
勤務回数は月4回以上を募集している求人が多いので、最低でも月に4回働いて12万円の収入。
さらに非常勤はパート扱いなのでWワークが認められています。(常勤だと体力的にも厳しいですしね)
2か所で非常勤の夜勤専従をすると月8回働いて24万以上になるわけです。
夜勤専従は高収入が期待できます。
②生活リズムの安定
夜勤専従で生活リズムが崩れそうというイメージがあると思います。
しかし実際は、生活リズムが崩れやすいのはどちらかというと日勤と夜勤のくり返しの方ですね。
昼間に働いて夜は寝た次の日は夜勤で寝ずに働いて、翌日昼間は眠くなって昼寝。
昼に寝たから夜は眠れず翌日朝が起きられなくなり…という不規則な勤務形態によって生活リズムは崩れていきます。
夜勤を始めてから体調を崩して生理も止まった人が夜勤のない職場に転職していったこともあります(夜勤止めたら体調は戻ったそうです)
夜勤専従になるとサイクルは一定になるので、逆に生活リズムは崩れることなく昼間の予定や家のこと、プライベートの予定が立てられるようになります。
③プライベートの充実

夕方~翌朝にかけての夜の仕事のため昼間の時間を自由に使えます。
夜勤専従はトータルでの勤務回数が少ないため睡眠時間を差し引いても自由時間は多くプライベートを充実させることができます。
自分も急変のない穏やかな夜勤だと、夜勤明けでそのまま遊びに行ってランチを楽しんだりショッピングに行ったりもしました。
映画やプラネタリウムとかだとうっかり寝てしまうこともあるので注意ですが。
夜勤のリズムが自分に合えばプライベートや趣味の時間を充実させることができます。
④患者の受け持ちや看護研究、委員会活動の免除
夜勤専従の場合は日中の活動に参加できないため担当患者や看護研究、委員会活動が免除されます。
「委員会も看護研究もやらなくていい」
恐らくこれらが負担な人は多いと思うのでメリットに感じる人はいるのではないでしょうか。
勤務時間中に委員会資料の作成や看護研究の話し合いや論文作成などは困難なので、必然的に時間外の仕事になってしまいます。
委員会活動での残業手当が認められない場合はサービス残業になってしまいますし、下手したら家に持ち帰って作業する、なんてこともあります。
夜勤専従の場合は日中にある委員会に参加することができませんし、昼間の様子観察や他のスタッフとの話し合いが困難になるため、これらの活動が免除されます。
看護業務以外の仕事が免除になること、つまりは時間外が減らせます。
デメリット
- 体調を崩しやすい:睡眠不足や体調不良になりやすく、長期的な健康リスクがある。
- 精神的ストレス:夜間はスタッフの少ない中での急変時の対応など、精神的なストレスが増加する。
- 常勤の求人は少ない:非常勤の募集が多く、ボーナスや福利厚生が受けられない。
- キャリアの限界:委員会活動に参加しない反面、管理職などへの出世は厳しくなる。

①体調を崩しやすい
夜勤専従は体調を崩しやすい場合があります。
リズムが一定とはいえ今まで昼に起きて夜に寝る生活をしてきたのですから、体が慣れないうちは睡眠不足になったり体調を崩す看護師もいます。
メリットで挙げた生活リズムが安定すると書いたことと矛盾しますが、夜勤専従ではメリハリをつけた生活リズムを自分で整える必要がある訳です。
特に2交代の夜勤では1回の勤務時間が長いため疲れやすいですし、その後の疲れが取れにくいと感じることもあるでしょう。
体調を崩さないよう夜勤前後の仮眠や休息、夜勤以外での夜の入眠方法が重要になってきます。
②精神的ストレス
夜勤では精神的ストレスが増す場合もあります。
夜勤業務は日勤と比べると多くはないですが、夜勤スタッフの人数が少ないため何かあったときの相談が難しく一人で判断しなければならない場面もあります。
施設によっては夜勤看護師は1人だけ、ということも有り得ます。
特に患者さんに急変が起こったときには自分で対処しなければならないため自身の判断にすべてがかかってると言っても過言ではありません。
何もない穏やかな夜勤であってくれといつも願いますし、そうであることも多いのですが、「何かが起ったとき」のプレッシャーや精神的ストレスはやはり大きいです。
③常勤の求人は少ない
常勤での夜勤専従の募集は実はかなり少ないです。
まあ、正社員での夜勤専従だと基本給+夜勤手当、さらには福利厚生やボーナスも追加される訳ですから、夜勤手当ての支給だけで済むバイトの方が経営者側からしたら需要はあるのかもしれません。
夜勤専従を目指すならば、以下の3つの方法になります。
- 夜勤手当の多い職場で割り切って非常勤で働く
- 非常勤でがっつり稼ぎながら常勤の仕事を探す
- 日勤ありの常勤をしながらゆっくり夜勤専従の職場を探す
④キャリアの限界
メリットの方で「患者の受け持ちや看護研究、委員会活動の免除」を挙げましたが、これは逆に委員会など病院の運営や方針に関わる分野にも参加できないということでもあります。
委員会や日々の業務などで主導権を取ったり円滑に業務を回したりバリバリこなしてる人が主任や師長になっていくことが多いです。
そういった機会は夜勤専従では少なくなりますし、昼間の会議などに参加できません。
つまりは、出世がしにくくなります。
夜勤専従看護師のシフトの実態

シフトの種類と1週間のスケジュール例をあげてまとめていきます。
夜勤専従看護師のシフトには、主に2交代制と3交代制があります。
2交代制と3交代制の違い
- 2交代制(日勤・夜勤)
- 3交代制(日勤、準夜勤、深夜勤)
勤務時間は病院によって前後することはありますが、うちの職場での2交代制は、日勤は8:30〜17:00の8時間半、夜勤は16:30~9:00までの16時間半。
勤務時間が重なるのは申し送りや情報収集の時間になります。
3交代制だと準夜勤はだいたい16:30~1:00頃まで、深夜勤は0:30~9:00頃までの8時間半ずつでした。
1日12時間以上の勤務は労働基準法違反じゃないかと調べたことがあるんですが、日付を跨いでいるので勤務時間のカウントはリセットされるというバグみたいな抜け道で夜勤業務は支えられていました。この世は地獄か。
3交代制の場合だと、常勤では日勤を終わった後に深夜勤に出るということも普通にありました(日付が変わっているので次の日の勤務扱い)
正直に言うと3交代制の方がかなり体がきつかったですね…。
急性期など患者の変化が大きかったり負担が多い場合は、2交代制だと夜勤が長く負担が大きいのかもしれません。
3交代は夜勤の時間は短いのですが、日勤後にあまり休めないまま深夜勤に出ないといけないので…。
どのみち負担が大きいなら長い夜勤の後でがっつり休める2交代制の方が自分は好きです。
子どもが小さくて送迎や夕飯の支度などが必要な人や長い夜勤が無理な人が主に3交代を選んでた印象。
実際の勤務スケジュール例

うちの病院では、2交代制シフトを採用していて、夜勤の勤務時間は16:30〜9:00でした。
夜勤専従の場合の具体的なスケジュールはこんな感じです。
- 月曜日: 夜勤(16:30〜9:00)
- 火曜日: 夜勤明け
- 水曜日: 夜勤(16:30〜9:00)
- 木曜日: 夜勤明け
- 金曜日: 休み
- 土曜日: 夜勤(16:30〜9:00)
- 日曜日: 夜勤明け
月の休みは8〜9日で、夜勤回数は月に10回くらい。休みがちょい少ない…。
夜勤明けに休みを必ず入れようとすると有給休暇を消費しなければならなくなります。
有給を消費しないようにシフトを組むと夜勤明けの翌日にまた夜勤が入る、なんてこともあります。
こんな風に月の休みが少なく夜勤回数とのバランスが悪いと、有給を使ったり夜勤明けの翌日にまた夜勤になるんですよね。
そのため、夜勤回数と月の休みはせめて同数か休みの方が多いくらいがおすすめです。
夜勤専従看護師の給料の実情

夜勤専従看護師の魅力の一つは、高収入であることです。
今までにも収入について書いてきましたが夜勤手当の仕組みと実情についてまとめていきます。
夜勤手当の計算方法

常勤の場合
夜勤には夜勤手当が支給されるため、常勤の場合は基本給に加えて収入が増えます。
夜勤手当の額は病院や施設によって異なりますが、2023年の日本看護協会の調査データによると夜勤1回の手当の平均が3交代の準夜勤:4234円、深夜勤:5199円、2交代では11368円になります。
例えば1回1万の夜勤手当の場合は月に10回の夜勤をこなすと、夜勤手当として10万円が加算されます。
夜勤専従になると2交代の場合は月9~10回、3交代なら月18回くらいの勤務になります。
常勤の場合は基本給に加えて夜勤手当+10万前後の月収になるわけです。
非常勤の場合
非常勤の場合だと更に高額な夜勤手当を支給するところも多く、1回に3万以上の夜勤手当が付くこともあります。
勤務回数は月4回以上を募集している求人が多いので、最低でも月に4回働いて12万円の収入。
さらに非常勤はパート扱いなのでWワークが認められています。(常勤だと体力的にも厳しいですしね)
2か所で非常勤の夜勤専従をすると月8回働いて24万以上になるわけです。
子育てや家のことが忙しくてなかなか昼間に働けないけど、できるだけがっつり稼ぎたいという人におすすめ。
もちろん高額な分、患者さんや利用者が多くて負担が大きいだとか、急性期で容態の急変など緊急時の対応が求められるなどリスクが大きい場合もあります。
支給額だけでなく業務内容とのバランスを吟味して選んでみてください。
実際の収入例

私が働いていた病院では、夜勤手当が1回あたり1万円です(もっと上げて)
月に10回の夜勤を行うと、基本給に加えて10万円の夜勤手当が支給されます。
給与が25万円〜30万円の場合、夜勤手当を含めると月収は35万円〜40万円程度になるわけです。
このように、夜勤専従の勤務ではかなりの収入が見込めます。
東京が支給額TOPで1万3千円くらい。都会ほど高い傾向にあるようですね。
地方の田舎だと1万超えたら上等な範囲でしょうか(もっと欲しい)
夜勤専従で得られる経済的なメリット
夜勤専従として働くことで、高収入を得て経済的な安定を手に入れることができます。
得られた収入は、趣味や旅行など生活の質を向上させるために使えます。
また、高収入によって将来の不安を軽減し、安心して生活できるのも大きなメリットです。
ただし、夜勤は体力勝負のため、いずれ身体的に辛くなるときが来ます。
若いうちにできるだけ稼いで貯金や投資に回し、夜勤を減らしても安定した生活が送れるよう基盤を整えておくことが将来的な安心につながります。
私が夜勤専従になった経緯

自分が夜勤専従になれたのはたまたまタイミングが良かったのだと思います。
夜勤は看護師の給料手当てを増やすための貴重な機会です。
しかしながら実は足腰や体調が悪くて夜勤を減らしたい人とか、徹夜が苦手であまり夜勤はやりたくないけど雇用条件として仕方なくやってる人とか、子どもが小さいから夜は家にいたいなど様々な理由から夜勤を減らしたい人もいます。
(夜勤がない外来への移動を希望してるのに夜勤スタッフが少ないからと部署移動を保留にされてる人もいたり)
自分が働いていた病棟でも夜勤をもっと減らしたいという人が多く、逆に自分はもっと手当を増やしてお金を稼ぎたいというのもあったので、「夜勤もっと増やしてください」「夜勤専従ってどうですか?」と何度か上司に打診してました。(そして却下されてました)(月にできる夜勤回数の上限があるとか)
一時期は夜勤専従で働けるところに転職しようとかとも考えていたんですが、転職サイトで募集を探しても夜勤専従の求人は非常勤のバイトばかり。
諦めかけていたところ、職員の腰痛悪化・妊娠・出産・退職・その他が続いて夜勤スタッフが大幅に減るという事態になりました。
残ったスタッフが1人につき月に7〜9回の、もはや夜勤専従では?みたいな夜勤シフトが組まれるようになり、それならと前から夜勤専従やりたいと声を挙げてた自分に依頼が来たわけです。
こうして自分は常勤の夜勤専従となりました。
常勤の夜勤専従の募集はほんとに稀なので、非常勤でなく常勤を希望している人は募集枠を逃がさないように頑張ってください。
いくつかの転職サイトに登録していると、常勤の夜勤専従の求人があったときにいち早く知らせてくれるので活用していくのがおすすめです。
または今の職場で夜勤を減らしたい人がいるかどうか調べて交渉してみるのもありかもです。
元々夜勤専従を採用していない職場だと新人が夜勤業務を覚えている動けるようになったり、中途採用で夜勤スタッフが補充されるまでの繋ぎになる可能性もありますが…。
病院よっては、夜勤をやりたい2、3人のスタッフが夜勤専従を数ヶ月ごとに持ち回りで担当するところもあるそうですよ。
長期間の夜勤は体が辛くなるため短期間の夜勤専従を繰り返すというのも一つの方法です。
夜勤専従看護師のリアルについてまとめ

夜勤専従看護師として働くことには、多くのメリットとデメリットがあります。
本記事では、夜勤専従看護師の仕事はどんなものがあるか、またシフトの実態や給料の実情などについてお伝えしました。
夜勤専従看護師として働くことは大変ですが、その分得られるメリットも多いです。
この記事が、夜勤専従の実態を知る一助となれば幸いです。